Gemini 3.5で社内のAI活用はどう変わる?まず試したい使い方TOP5
本記事は2026年5月時点の情報です
社内でAIを使い始めたけど、結局こうなっていませんか。
メール文を整える。
議事録を要約する。
アイデアを出してもらう。
便利。たしかに便利です。
でも、ふと冷静になると、
「で、仕事そのものはどれくらいラクになったんだっけ?」
となる。
ここが、今の社内AI活用でよく起きている詰まりどころだと思っています。
Google I/O 2026で発表されたGemini 3.5を見ていて、私が一番感じたのは「AIが賢くなりました」という話ではありませんでした。
それよりも、
「AIに仕事を渡す前提が、かなり現実的になってきたな」
という感覚です。
今までは、AIに聞く。
これからは、AIに渡す。
この差はけっこう大きいです。

Gemini 3.5で変わるのは、チャットの次です
Googleの発表では、Gemini 3.5 Flashは、速く動いて、複雑な作業の流れにも対応しやすいモデルとして紹介されています。
専門的に言うと「エージェント型ワークフロー」みたいな話になります。
ただ、社内で使う側からすると、そんな言葉は一旦どうでもよくて。
要するに、
「この文章を要約して」
で終わらずに、
「この会議メモを読んで、決まったことと未決のことを分けて、担当者ごとのToDoにして、次回確認することまで出して」
みたいな頼み方がしやすくなる、ということです。
つまり、AI活用のテーマが変わります。
前は「何を聞くか」でした。
これからは「どの仕事を、どこまで渡すか」です。
ここを間違えると、Gemini 3.5を入れても、たぶん今までと同じです。
ちょっと文章がうまくなる。
ちょっと要約が速くなる。
でも、現場の忙しさはあまり変わらない。
それだともったいないんですよね。
まず試したい使い方TOP5
いきなり全社導入とか、業務自動化とか、大きく構えなくて大丈夫です。
最初は「これ、毎週地味に面倒なんだよな」という仕事を1つ選ぶくらいで十分です。
おすすめはこの5つです。

1. 会議メモを「次にやること」まで落とす

議事録の要約だけで止まっている会社は多いです。
もちろん要約も助かります。
でも、本当に欲しいのはきれいな議事録ではなくて、会議のあとに動ける状態です。
会議後にありがちなのがこれです。
「結局、誰がやるんでしたっけ?」
「あれ、決定事項でした?まだ検討中でした?」
「次回までに何を準備するんでしたっけ?」
この確認で、じわじわ時間が溶けます。
Gemini 3.5を使うなら、会議メモをそのまま要約させるより、こう頼む方が実務向きです。
「この会議メモから、決定事項、未決事項、担当者ごとのToDo、期限が必要なもの、次回確認することに分けてください」
これだけで、かなり使いやすくなります。
最初のAI活用として会議メモがいいのは、失敗してもリスクが低いからです。
最後に人が見ればいい。
送信ボタンを押す前の下ごしらえとして使える。
社内で「AIってこう使うとラクなんだ」と感じてもらうには、ちょうどいい入口です。
2. メール、資料、議事録から下調べをする

仕事の中で、意外と時間を食っているのが「探す」です。
あの資料どこだっけ。
前回なんて言ってたっけ。
このお客さん、前は何に困ってたっけ。
こういう時間、1回ずつは小さいです。
でも、毎日やっているとかなり重い。
ここもAIと相性がいいです。
たとえば、次の打ち合わせ前に、
「この議事録と提案書を読んで、次回確認すべきことを5つ出してください」
「このメール履歴から、お客さんが気にしていそうな点を整理してください」
「この資料の中から、社長に説明するときに必要な部分だけ抜き出してください」
こういう使い方です。
ポイントは、AIに「全部見ていい感じにして」と投げないことです。
何を見てほしいのか。
何を出してほしいのか。
誰が読むものなのか。
ここだけは人間が決める。
AIは下調べが得意です。
でも、どの山を掘るかは人間が決めた方がいいです。
3. 社内マニュアルのたたき台を作る

社内マニュアルって、作った方がいいのは分かっているんですよね。
分かっている。
でも、作れない。
理由はだいたい同じです。
忙しいし、面倒だし、書き始めると意外と時間がかかる。
しかも現場の人は、頭の中では手順を分かっています。
ただ、それを文章にする時間がない。
ここでAIを使います。
最初からきれいなマニュアルを作ろうとしなくて大丈夫です。
普段の作業を、雑にメモするだけでいいです。
「月末にこのフォルダを見て、スプレッドシートを更新して、freeeに登録して、確認してから送る」
このくらいでも、たたき台にはなります。
Gemini 3.5には、そこから
「初めての人でも分かる手順にしてください」
「ミスしやすいところを注意点として入れてください」
「チェックリスト形式にしてください」
「よくある質問も作ってください」
と頼む。
完璧なマニュアルを1から書くより、AIが作った70点のたたき台を人が直す方が、ずっと進みます。
これは本当におすすめです。
4. 返信文を作る前に、相手の意図を整理する
AIで返信文を作っている人は多いと思います。
ただ、返信文だけ作らせると、ちょっと薄いことがあります。
きれいな文章ではある。
でも、相手の温度感とズレている。
確認すべきことが抜けている。
こちらが答えきれないことまで、いい感じに言い切ってしまう。
これ、地味に危ないです。
なので、返信文を作る前にワンクッション入れます。
「この問い合わせについて、相手が困っていること、こちらが確認すべきこと、すぐ答えられること、社内確認が必要なことに分けてください。そのうえで返信案を作ってください」
こうすると、ただの文章作成ではなくなります。
営業でも、採用でも、問い合わせ対応でも使えます。
特に採用対応は相性がいいです。
応募者への返信、面接前の確認事項、面接後の評価メモ。
このあたりは、AIに下書きさせるだけでもかなりラクになります。
ただし、最後の送信は人間が見た方がいいです。
ここは譲らない方がいいです。
AIは下書き係。
人間は判断係。
この分け方が現実的です。
5. 定型業務を「AIに渡せる形」に分ける

最後が一番効きます。
Gemini 3.5を使う前に、まず業務を分けます。
たとえば、毎月の請求処理。
「請求処理をAIで自動化したい」と考えると、急に難しくなります。
でも、作業を分けると見え方が変わります。
対象の顧客を確認する。
金額を確認する。
請求書を作る。
内容をチェックする。
メール文を作る。
送る。
送付済みにする。
こうやって並べると、AIに任せていいところと、人間が見るところが分かれます。
メール文の下書き。
チェックリスト作成。
確認観点の整理。
作業手順のマニュアル化。
このあたりはAIに渡しやすいです。
逆に、金額の最終確認や送信判断は、人間が見た方がいい。
ここまでAIに任せると怖いです。
AI活用で失敗しやすいのは、最初から全部やらせようとすることです。
全部はまだ早い。
でも、一部なら今日から使えます。
社内AI活用で最初にやること
Gemini 3.5の話を聞くと、つい新機能を追いたくなります。
でも、社内で成果を出すなら、最初に見るべきものはツール画面ではありません。
自社の仕事です。
毎週くり返している作業は何か。
毎回探している情報は何か。
誰かの頭の中だけにある手順は何か。
返信や確認で止まりがちな業務は何か。
ここを1つ選ぶ。
そして、AIにこう渡してみる。
「この作業を、初めての人でも分かる手順にしてください」
「この内容から、次にやることだけ抜き出してください」
「この返信文を、丁寧だけど堅すぎない文章にしてください」
「この業務の中で、AIに任せてよさそうな部分と、人が確認すべき部分を分けてください」
最初はこれで十分です。
大きなDX計画を作るより、毎週10分かかっている作業を3分にする。
その方が、社内では広がりやすいです。
「これなら使えるかも」
この感覚を1つ作る。
そこからで大丈夫です。
相談相手ではなく、仕事の渡し先として考える
Gemini 3.5で見えてきた変化は、AIが「相談相手」から「作業を進める相手」に近づいていることです。
社内で試すなら、会議メモ、下調べ、マニュアル、返信案、定型業務の分解から始めるのがおすすめです。
最初に整えるのは、ツールではなく「AIに仕事を渡す形」です。
この記事を読んで、
「うちだと、どの業務からAIに渡せばいいんだろう?」
と思った方は、まず1つだけ選んでみてください。
会議メモでもいいです。
問い合わせ対応でもいいです。
請求処理でもいいです。
いきなり全部変えなくて大丈夫です。
小さく試して、ラクになった感覚を1つ作る。
そこから広げる方が、社内ではうまくいきます。
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この記事のまとめ
- Gemini 3.5で注目したいのは、AIが「相談相手」から「作業を進める相手」に近づいていること
- 社内では、会議メモ、下調べ、マニュアル、返信案、定型業務の分解から始めると使いやすい
- 最初に整えるべきなのは、ツールではなく「AIに仕事を渡す形」
宮内章宏(みやうち あきひろ) 株式会社SmartFlow 代表取締役。AI活用・業務効率化コンサルタント。 Google Workspace と AI を使った仕組み化で、中小企業の業務改善を支援しています。セミナー登壇130回以上、のべ8,000名以上の方にお伝えしてきました。
参考:
宮内章宏
株式会社SmartFlow 代表取締役
警察官として7年間勤務した後、IT教育、マーケティング、業務効率化支援の現場を経験してSmartFlowを立ち上げました。